ドローンの「レベル」とは？

「レベル」とは、経済産業省が発表した「小型無人機の利活用と技術開発のロードマップ」の到達点を指します。

また、到達点に達するまでの飛行技術といった意味でも使用されている言葉です。従来はレベル3までの飛行が実現されていましたが、2022年12月にレベル4が解禁されました。

それぞれの飛行レベルについて

ドローン社会での到達点として、レベルを飛行エリア・方法など4つの段階に分けられています。

レベル1

「目視内」「操縦飛行」の利用形態を示します。操縦者が機体を目視確認できる範囲を手動で操作する一般的な利用の段階です。すでに農薬散布や空撮、インフラ点検などにおいて実装されています。

レベル2

「目視内」「自立飛行（自動運転）」の利用形態を示します。操縦者が機体を目視確認できる範囲で、自動運転機能を使って飛行する段階です。自立飛行はあらかじめ、離着陸地点や飛行速度、経路などをプログラムしておくことで実現できます。設備点検や土地測量などで社会実装されている技術です。

レベル3

「目視外」「無人地帯（補助者なし）」での利用形態を示します。人が立ち入ることの少ないエリアで目視確認できない範囲まで機体を飛行させる段階です。レベル3ではこれまで必要とされていた補助者を不要としています。補助者は有人機がいないか周囲を監視し、確認した際には操縦者に助言をする人のことです。

また、無人地帯とは山や河川、森林、離島などが該当し、行方不明者の捜索や河川測量など様々な分野で実装されています。

レベル4

「目視外」「有人地帯（補助者なし）」での利用形態を示します。市街地をはじめとした人がいるエリアで、目視できない範囲まで機体を飛行させる段階です。レベル4はロードマップにおける最終到達地点となります。

レベル4では何ができる？

ロードマップの最終到達地点であるレベル4では、次のようなことが可能です。

物流網の強化

レベル4解禁により、物流網は大きく変化すると言われています。物流では「人員不足」や「交通渋滞」などが問題になっており、ドローンを配達に活用することで同時に解決可能です。ただし物流分野での実装には多くのハードルを越える必要があるため、しばらくは実装に向けた開発や実験が繰り返されるでしょう。

災害時の救助・救援活動

災害時の救助・救援にも大きな変化が生まれると考えられています。災害時には様々な理由で救援物資の輸送ができないケースもありますので、ドローンであれば安全を確保しながら避難所への配送が可能です。すでに実証実験が進められており、今後の展開に期待が膨らみます。

都市部の公共インフラの点検

公共インフラの点検には、これまでもドローンが活用されてきました。しかしこれまではレベル3までの無人地帯までが対象でしたので、レベル4が解禁された現在、都市部での点検も可能です。以前はドローンによる点検が許されていなかった人口集中区域においてドローンが活用できれば、インフラの老朽化や労働力不足などの問題を解決できるかもしれません。

レベル4の操縦を行うためには、2022年12月に新設された国家資格（一等資格）の取得が必要です。